啄木・賢治のふるさと「岩手日報随筆賞」

 2006年、創刊130周年を記念し「啄木・賢治のふるさと『岩手日報随筆賞』」を創設しました。歌人・石川啄木、詩人・宮沢賢治をはぐくんだ本県の文芸風土を継承し、一層の発展を期して県内在住者を対象に随筆作品を公募しています。

心の機微 捉える 岩手日報随筆賞贈呈式

贈呈式

 岩手日報社主催の第20回啄木・賢治のふるさと「岩手日報随筆賞」贈呈式は2025年7月19日、盛岡市愛宕下の盛岡グランドホテルで行われた。

 受賞者、来賓ら約30人が出席。川村公司社長が、最優秀賞に輝いた盛岡市の伊藤貴子さん(66)に正賞のブロンズ像「星の雫」(照井栄さん制作)と賞状、賞金20万円を贈った。

 優秀賞は、盛岡市の高橋政彦さん(60)、切替郁恵さん(36)、工藤幸子さん(62)に賞状と賞金5万円を贈呈。

 佳作は、花巻市の駒形藍さん(38)、宮古市の佐藤千佳子さん(58)、平泉町の岩渕真理子さん(73)、盛岡市の森本翔太さん(35)、久慈市の菅原香織さん(27)に賞状と賞金3万円を贈った。

 30歳未満が対象の奨励賞は、矢巾町の佐藤旭さん(23)に賞状と図書カード1万円相当を贈った。

 川村社長は「どれも読む人に静かに語りかける力作ばかりだった。創作意欲を持ち続け、今後も執筆に取り組まれることを願う」と話し、達増知事(代読)と選考委員長の詩人城戸朱理さんが祝辞を述べた。

 伊藤さんは、一冊の料理本との出合いから昔を振り返り、料理に手間を惜しまなかった亡き母への思いをつづった。「随筆賞に幾度も挑戦する私を励まし続けた亡き父母も喜んでいると思う。さらに感性を磨き、内なる声の表現に打ち込みたい」と喜びを語った。

 今回の応募は133編。社内の予備選考を経て城戸さん、作家平谷美樹さん、エッセイスト・絵本作家澤口たまみさんが審査した。

 啄木・賢治のふるさと「岩手日報随筆賞」は第20回の節目となる今回で終了し、2027年に新賞を創設する。26年は「創刊150周年記念 岩手日報文学賞」の選考と発表を行う。

【写真=第20回啄木・賢治のふるさと「岩手日報随筆賞」を受賞した(前列左から)優秀賞の工藤幸子さん、高橋政彦さん、最優秀賞の伊藤貴子さん、優秀賞の切替郁恵さん、(後列左から)奨励賞の佐藤旭さん、佳作の岩渕真理子さん、駒形藍さん、佐藤千佳子さん、森本翔太さん=2025年7月19日、盛岡市・盛岡グランドホテル】


第20回岩手日報随筆賞決まる

 岩手日報社主催の第20回啄木・賢治のふるさと「岩手日報随筆賞」の入選者が決まりました。

 最優秀賞は、盛岡市北山、伊藤貴子さん(66)の「六十六のお祝いに」が選ばれました。優秀賞は、盛岡市東黒石野、高橋政彦さん(60)の「目っつるポロポロ」、盛岡市内丸、切替郁恵さん(36)の「粋な贈り物」、盛岡市渋民、工藤幸子さん(62)の「松次郎のこと」の3編です。

 佳作は、花巻市藤沢町、駒形藍さん(38)の「ミミの足音」、宮古市太田、佐藤千佳子さん(58)の「ラブレター」、平泉町平泉、岩渕真理子さん(73)の「麹屋の娘」、盛岡市黒石野、森本翔太さん(35)の「滲んだビー玉」、久慈市旭町、菅原香織さん(27)の「五月と私の随筆賞」の5編です。30歳未満の応募者が対象の奨励賞は、矢巾町西徳田、佐藤旭さん(23)の「祖母との電話」が選ばれました。

 今回の応募は133編。社内の予備選考を経た最終候補17編と奨励賞候補について、選考委員の詩人城戸朱理さん(委員長、神奈川県鎌倉市、盛岡市出身)、作家平谷美樹さん(金ケ崎町)、エッセイスト・絵本作家澤口たまみさん(盛岡市)が審査しました。

 贈呈式は2025年7月19日午前11時から盛岡市愛宕下の盛岡グランドホテルで行います。最優秀賞は正賞のブロンズ像「星の雫」(照井栄さん制作)と賞状、賞金20万円、優秀賞は賞状と賞金5万円、佳作は賞状と賞金3万円、奨励賞は賞状と図書カード1万円相当がそれぞれ贈られます。


今回で終了 2027年から新賞

 岩手日報創刊130周年(2006年)を機に創設した啄木・賢治のふるさと「岩手日報随筆賞」は、第20回の節目を迎えた今回で終了し、2027年に新たな形で再出発します。

 2026年は「創刊150周年記念 岩手日報文学賞」の選考、発表を行います。広く岩手を題材にした小説が対象で、2025年12月31日まで募集しています。2026年は随筆賞の作品募集は行わず、2027年に創設する新賞の詳細は、決まり次第、紙面で発表します。


受賞者

第20回
最優秀賞
伊藤 貴子さん(盛岡市)「六十六のお祝いに」
優秀賞
高橋 政彦さん(盛岡市)「目っつるポロポロ」 切替 郁恵さん(盛岡市)「粋な贈り物」 工藤 幸子さん(盛岡市)「松次郎のこと」
第19回
最優秀賞
北林 紗季さん(宮古市)「光を生む」
優秀賞
佐々木真帆さん(盛岡市)「花をもらう」 小野 光璃さん(盛岡市)「孤独の猫」 尾崎 美樹さん(盛岡市)「優しい選択」
第18回
最優秀賞
熊谷千佳子さん(盛岡市)「猫と寅さん」
優秀賞
山口 実可さん(盛岡市)「この街にはありません」 佐々木 実さん(八幡平市)「母の言葉」 小原 隆規さん(北上市)「ドジヨウギヨカイタ」
第17回
最優秀賞
佐藤 淳子さん(盛岡市)「例外の日」
優秀賞
井上  葵さん(宮古市)「見つめ続ける目」 高橋 嬢子さん(金ケ崎町)「母とおにぎり」 切替 郁恵さん(盛岡市)「香りを、纏って」
第16回
最優秀賞
佐藤 純子さん(奥州市)「あの夜、日勝峠で」
優秀賞
佐藤 淳子さん(盛岡市)「六十を過ぎて」 北林 紗季さん(矢巾町)「ありがとう」 畠山 政文さん(花巻市)「祈り」
第15回
最優秀賞
高橋 芳江さん(釜石市)「母の裁ちバサミ」
優秀賞
平山 奈子さん(盛岡市)「思い馳せ」 北林 紗季さん(矢巾町)「Undefined」 土屋 恵子さん(二戸市)「やさしい人」
第14回
最優秀賞
遠藤カオルさん(奥州市)「五月のふる里」
優秀賞
川辺  学さん(北上市)「手紙」 古川 寛子さん(紫波町)「さんさ踊りの夏が来る」 本田 香織さん(矢巾町)「もりおか」
第13回
最優秀賞
国崎 萌子さん(盛岡市)「サイダー」
優秀賞
川辺  学さん(北上市)「手紙」 熊谷千佳子さん(盛岡市)「消灯私邸」 圃田 百恵さん(一戸町)「たったひとつの恩返し」
第12回
最優秀賞
石川 啓子さん(奥州市)「父の作品」
優秀賞
多田 有希さん(盛岡市)「痛みと生きていく」 熊谷千佳子さん(盛岡市)「魔法のことば」 山口トヨ子さん(花巻市)「のんべぇたちの攻防」
第11回
最優秀賞
吉田 澄江さん(盛岡市)「ワレモコウ」
優秀賞
羽柴 香子さん(一関市)「父」 熊谷 奈南さん(盛岡市)「石割桜」 松本 幸子さん(金ケ崎町)「ねぎの花のように」
第10回
最優秀賞
高橋 久美さん(花巻市)「四月にツイート」
優秀賞
高橋 政彦さん(盛岡市)「吸殻エレジー」 上山 明美さん(田野畑村)「母が残してくれた、一枚の写真」 武田 穂佳さん(滝沢市)「しるし」
第9回
最優秀賞
小川 クニさん(雫石町)「ゆりかごごっこ」
優秀賞
佐藤 洋子さん(奥州市)「アゲハチョウ」 高橋 久美さん(花巻市)「素敵な板挟み」 山口トヨ子さん(花巻市)「おもかげ」
第8回
最優秀賞
田辺るり子さん(盛岡市)「たいせつな場所」
優秀賞
稗貫 イサさん(花巻市)「結びの宿」 太田代 公さん(北上市)「輪の中へ」 武田 洋子さん(奥州市)「伝える喜び」
第7回
最優秀賞
工藤 玲音さん(盛岡三高)「春の雨」
優秀賞
伊藤由紀子さん(盛岡市)「川岸」 吉田 澄江さん(盛岡市)「雲よ」 中村キヨ子さん(宮古市)「父の講義」
第6回
最優秀賞
太田 崇さん(久慈市)「父の行程表」
優秀賞
石川 啓子さん(奥州市)「引き継ぐ」 大沼 勝雄さん(盛岡市)「津軽山唄」 稗貫 イサさん(花巻市)「父の匂(にお)い」
第5回
最優秀賞
渡辺 治さん(雫石町)「一本の古クギ」
優秀賞
鈴木 紀子さん(花巻市)「おやすみ、大好きなお母さん」 沢内 建志さん(宮古市)「命の誕生」 平松真紀子さん(釜石市)「熊さんの杉」
第4回
最優秀賞
小野まり子さん(金ケ崎町)「牛飼い、再び」
優秀賞
神田由美子さん(奥州市)「花の町にて」 佐藤 明美さん(盛岡市)「アルバム」 吉田 真人さん(盛岡市)「ロレッタ」
第3回
最優秀賞
野中 康行さん(盛岡市)「リッチモンドの風」
優秀賞
井手 厚子さん(盛岡市)「妹」 上柿 早苗さん(盛岡市)「祈るとき」 佐藤 勇子さん(金ケ崎町)「母の置土産(おきみやげ)」
第2回
最優秀賞
今野 紀昭さん(奥州市)「ひつじ雲」
優秀賞
野中 康行さん(盛岡市)「山王海」 白金 英美さん(釜石市)「ミヤコワスレ」 大木戸浩子さん(盛岡市)「『父の指』」
第1回
最優秀賞
三田地信一さん(宮古市)「母を恋(こ)うる歌」
優秀賞
上田 敏雄さん(一戸町)「よみがえる化石」 大木戸浩子さん(盛岡市)「遠い嫁ぎ先」 野中 康行さん(盛岡市)「旅立ち」

岩手日報文学賞・随筆賞(昭和61年~平成17年)

文学賞・随筆賞受賞者

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