第58回岩手読書感想文コンクール小学校高学年・優秀賞

私の星空、見つけた

奥州市立水沢南小学校6年

小野寺(おのでら) 菜波(ななみ)

星空を届けたい

 去年の十一月、私は家族四人で盛岡市にあるプラネタリウムを見に行った。プラネタリウムを見るのは初めてだった。静かな会場、なんだか懐かしくて優しい匂い。薄暗い部屋の中、どんどん周りが暗くなって、少し不安になった私は、隣に座っていた妹と顔を見合わせた。次の瞬間、広い天井に無数の星が映し出された。冬の星座が散りばめられて、私は小さく「うわ~」と声を上げていた。たくさんの星に包まれているような、体が夜空に浮き上がったような、そんな不思議な感覚。暗闇への恐怖はすっかり消えて、星いっぱいの世界に夢中になった。「あっ、流れ星!」同じ会場のお客さんも声を上げていた。

 たくさんのわくわくをもらえたプラネタリウム。その経験があってから、何となく夜空を見上げることが増えた。星って、宇宙って、私たちにとってどんな存在なのだろうか。星空に囲まれたときに感じるこの気持ちを、どうやって表現したらいいんだろう、そんなことを考えながら見上げる夜空。私がこの本を選んだのは、「星空を届けたい」というタイトルに心惹かれたからだ。

 「出張プラネタリウム」という存在を、私はこの本を読んで初めて知った。病気で長期入院をしている子ども達のために、移動式プラネタリウムを持って全国を飛びまわる高橋さん。天井に映し出される星空は、子ども達の心にたくさんの光のプレゼントを届けているのではないかと思った。私が初めてプラネタリウムを見たときのような胸の高なり、あの星は何?という好奇心。自分の心が大きく動く、大切なプレゼントだ。小さな体で病気と闘うことは、言葉にできないくらいの不安があるのではないだろうか. そして、それを支える家族も同じだと思う。星空からのプレゼントが、子ども達や家族の心を、勇気づけているのではないかと感じた。

 星や宇宙に携わる仕事に就きながら、たくさんの人に夢や希望を与えている高橋さん。「星空を届けたい」という思いが、周りの人の気持ちを動かし、新しい一歩につながっているのではないかと思った。星への興味から手に取った本だったけれど、自分の中にもう一つ、ある思いが生まれていた。「私にも、きっと何か伝えられることがあるはずだ。」

 私は本が大好きだ。そして、将来は本を書く仕事に就きたいと考えている。自分の書いた本で、言葉で、たくさんの人に本を読む楽しさや喜びを感じて欲しい。世界には、今も戦争のさなか、苦しく辛い思いをしている人がいる。病気やけがで生きる希望を失っている人もいる。高橋さんが星空で元気を届けたように、私は自分の言葉で、だれかの心を動かすようなプレゼントを届けたい。高橋さんと私の思いがつながったような、そんな気がした。私の星空、見つけた。

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