
地方の魅力を再発見しませんか
岩手日報社 代表取締役社長
川村 公司
「新聞社」と聞くと、皆さんどんなイメージを思い描くのでしょうか。
おそらく紙面に関するイメージがほとんどではないでしょうか。「堅い」「難しい」「情報量が多い」「資料として保存できる」「興味のない話題でも時に新たな発見がある」。ざっと、こんな感じでしょうか。
でも、実は多様な業種が一つに集約されたのが昨今の新聞社、情報産業の姿です。
まずは「つくる」。社会の事象を取材し、撮影し、執筆し原稿に仕上げる。それをレイアウトし、紙面を完成させる。これが編集部門の「つくる」です。さらにデータを印刷工場に送り、輪転機で刷る。これが制作部門の「つくる」です。
次に「寄り添う」。印刷工場で完成した紙面を販売店に輸送し、各販売店が読者の皆様に配達し、最近は高齢世帯の見回り確認なども行っています。またデータ関係では過去の記事や写真を、お客様の求めに応じて販売もします。大谷翔平選手の写真集のように、一年の活躍をまとめて販売することもあります。
「貢献する」。各種イベントを企画し、県民読者、スポンサーの皆様が豊かになるよう発信します。災害被災地への募金もイベント収益の一部を充てることもあります。また、個別のスポンサーの要望を聞き、その企業の価値を高めるよう広告として発信することも社会貢献の一端を担っていると思います。少子化、人手不足など課題解決型の企画を立案することも昨今、大切な仕事です。
「つくる」「寄り添う」「貢献する」。細分化すれば、もっともっと仕事の内容は広がりますが、新聞社が担う柱のワードは三つです。「ONE FOR ALL(一人はみんなのために)「ALL FOR ONE(みんなは一人のために)」。一人一人が役割を担い、それを融合することで新聞社は成り立っています。
大谷選手や菊池雄星投手のように海外で存在感を示す若者を増えてきました。こうした岩手県人にアプローチを続け、デジタルでの情報発信を強化し、県内外、世界の方々に、「岩手日報」という存在感を高めることも求められています。
そう考えると、岩手はまだまだ見いだされていない宝がたくさんあります。見逃してきた価値、多くの方が当たり前と思っているものに、若い発想や視点で輝きを持たせてほしいと願っています。岩手を愛しているからこそできる仕事が岩手日報社にはいっぱいあります。宝の山を見つける喜びを実感してみませんか。