岩手日報文化賞・体育賞

 岩手日報文化賞・体育賞は1948年に制定。社会、学術文化、産業経済、体育の各分野で顕著な功績や成績を挙げた個人または団体を顕彰するものです。

きらめく、郷土の誉れ 岩手日報文化賞・体育賞、5人2団体受賞

贈呈式

 第77回岩手日報文化賞・体育賞の贈呈式は3日、盛岡市愛宕下の盛岡グランドホテルで行われ、文化賞の2団体と2人、体育賞3人の輝かしい功績をたたえた。受賞者は社会、学術文化、産業経済、スポーツの各分野で一層の活躍と地域貢献を誓った。

 文化賞のみちのくあじさい園(一関市)は伊藤達朗園主が出席した。1997年に開設し、今では15ヘクタールを約400種、4万株が彩る。「みちのくあじさいまつり」を毎年開催しているほか、咲き終えた花々を加工・販売することで地域の雇用にも貢献している。

 岩手大名誉教授の斎藤徳美さん(79)=盛岡市=は本県防災研究・実践の第一人者で、岩手山の火山活動が活発化した98年以降、産学官民によるINS岩手山火山防災検討会の設立などを推進。東日本大震災後は被災者の生活再建やインフラ復旧に尽力した。

 えさし郷土文化館前館長の相原康二さん(81)=盛岡市=は、本県埋蔵文化財行政のパイオニアで、73年には県教委に新設された文化課で平泉町の柳之御所遺跡の保存に奔走した。東北一円に広がる「平泉」関連遺産の調査研究や成果の普及啓発も推し進めた。

 アイカムス・ラボ(盛岡市)は片野圭二会長が出席。2003年に創業し、液体の量を誤差なく投与できる世界最小、最軽量のペン型電動ピペットを開発した。人工多能性幹細胞(iPS細胞)の移植装置も手がけ、国内のライフサイエンス分野を先導している。

 体育賞は、国民スポーツ大会冬季大会など国内外の大会で優勝した選手ら2人(代理出席含む)が式に臨んだ。

 岩手日報社の川村公司社長が「受賞者の功績と歩みは、一日一日の地道な積み重ねがなくては成し遂げられなかった偉業だ。家族や関係者の尽力とともに敬意と感謝を申し上げる」とあいさつした。

 文化賞は賞状と正賞の独鈷釜(どっこがま)、体育賞はクリスタル盾などが贈られた。

 佐々木淳副知事、内舘茂盛岡市長らが祝辞を述べ、受賞者は喜びや今後の抱負を語った。


第77回岩手日報文化賞決まる

 岩手日報社は2024年度、岩手日報文化賞を2団体と2人に、体育賞を3人に贈ることを決めました。贈呈式は11月3日、盛岡市愛宕下の盛岡グランドホテルで行います。この文化賞・体育賞は1948年制定で、第77回となります。社会、学術文化、産業経済、体育など幅広い分野について選考委員会(委員長・川村公司社長)の審査を経て、顕著な功績を挙げた方々を顕彰するものです。

 文化賞は一関市のみちのくあじさい園(伊藤達朗園主)、いずれも盛岡市で岩手大名誉教授の斎藤徳美さん(79)、えさし郷土文化館前館長の相原康二さん(81)、アイカムス・ラボ(小川裕二社長)に贈ります。

【文化賞】
みちのくあじさい園(一関市)

 みちのくあじさい園は1983年、伊藤さんが地元の山林に私財を投じてアジサイの植栽に着手し、1997年オープン。15ヘクタールを約400種、4万株が彩り、毎年「みちのくあじさいまつり」には全国から大勢の客が訪れます。咲き終えた花々を加工・販売することで地域の雇用にも貢献しています。

斎藤 徳美さん(盛岡市)

 斎藤さんは本県防災研究・実践の第一人者で、岩手山の火山活動が活発化した1998年以降、産学官民によるINS岩手山火山防災検討会の設立やガイドラインの策定を推進。東日本大震災後は県復興委の総合企画専門委員長として、被災者の生活再建やインフラの復旧復興に当たりました。

相原 康二さん(盛岡市)

 相原さんは本県埋蔵文化財行政のパイオニアの一人です。1973年、県教委に新設された文化課で北上川治水事業に伴う平泉町の柳之御所遺跡の保存に奔走。その後、えさし郷土文化館長などを歴任し、東北一円に広がる「平泉」関連遺産の調査研究や成果の普及啓発に長年尽力しました。

アイカムス・ラボ(盛岡市)

 精密機器製造のアイカムス・ラボは2003年創業。医療現場などで液体の量を誤差なく投与できる世界最小、最軽量のペン型電動ピペットを開発したほか、理化学研究所などと連携してiPS細胞の移植装置を開発するなど、ライフサイエンスの分野で画期的な事業を展開しています。

【体育賞】

▽松津秀太さん(24)=盛岡・シリウスEHC
 国民スポーツ大会冬季大会スピードスケート成年男子1000メートル優勝

▽女ケ沢綜磨さん(17)=北桜高3年
 第9回全国高校男子なぎなた選手権大会優勝

▽斎藤志保さん(29)=県武術太極拳連盟
 第3回武術太極拳ワールドカップ女子太極拳優勝

受賞者(2019年~)

受賞者(2018年以前)