
岩手日報生成AIと同様に「exaBse生成AI」に新聞記事でデータを取り込んだ新潟日報生成AIを使うダイニチ工業(新潟市)と、「exaBase生成AI for 自治体」を使う福島県郡山市に、活用方法を聞きました。
ダイニチ工業(新潟市) システム開発部 石井幸光さん、堀裕子さんに聞く

Q 導入の決め手は。
A「第一に使いやすさ。質問・指示(プロンプト)のひな型(テンプレート)が豊富で、直感的に操作が分かる。AIの種類も豊富で、用途に応じてチャットGPTやジェミニなどを使い分けることができる。新潟日報社という地元企業の商品ということも大きい。すぐそばにいる『日報さん』に気軽に問い合わせられる安心感がある」
Q どのように使っているの。
A「総務部門は契約書の事前チェック、生産部門ではプログラムのひな型作成、営業部門では海外取引をする際に自然な外国語翻訳を聞いたりと活用している。新潟県内企業の社員の採用状況など、地元情報をまとめたいときにも新潟日報の記事を参照している」
Q 印象に残る活用例を教えて。
A「新商品のウェブサイトをつくる際に活用した。自治体によっては購入時に助成金が出る商品だったので助成金検索システムを付けたが、開発部門に依頼することなく広報部門が生成AIに聞きながら自分たちでつくった。デジタル人材が不足しているので助かる」
Q 業務効率化の実感は?
A「文章作成やアイデア出しでの削減時間が大きい。小さな積み重ねが大きな効果を生んでいる。単純業務が削減されることで、より価値の高い業務に時間を充てられるようになった。もっともっと社内に浸透させていきたい」
ダイニチ工業
新潟市南区に本社を構える暖房器具・家庭用電化製品メーカー。創業1964年、従業員477人。エクサベースに新潟日報の記事データを連携させた「新潟日報生成AI」を2025年3月から本格利用。50アカウントを各部署に振り分け、会社全体で活用している。
郡山市 DX戦略課 橋本賢人さんに聞く

Q 導入の決め手は。
A「自治体専用の回線(LGWAN=エルジーワン)に対応していることと、独自に投入したデータを参照して回答を生成するRAG(検索拡張生成)機能があることが大きな理由だった」
Q RAGではどんなデータを参照させているの。
A「さまざまな計画やマニュアルなど100以上のファイルを取り込んでいる」
Q 主な活用方法を教えて。
A「市長のあいさつ文の原案を書く際、過去のあいさつ文などを参照させることで、一般のAIでは出てこないオリジナルの要素を盛り込んだ内容になる。市議会の議事録を基に資料を作成したり、マニュアルや規定を取り込むことで、知りたい情報を素早く調べることもできる。各部門で利用している」
Q 業務効率化の成果を教えて。
A「エクサベースは個人や組織全体の業務削減時間を分析し、示してくれる。庁内全体で1カ月当たり約580時間の削減効果がある。職員は毎日利用しており、間違いなく効率化が進んだ。組織を活性化させるツールだと感じている」
Q もし、地元紙の記事連携機能があったら、どう使う?
A 「地域に根ざした新聞報道をベースに、新規施策のアイデア出しや企画文書の作成、他自治体の取り組み状況調査などに活用してみたい」
郡山市
福島県の中央部に位置し、人口31万人。市の正職員数は約2千人で、2024年10月に「エクサベース」の自治体向けプランを導入。同時接続上限50アカウントとし、全正職員が使える環境を整えた。独自に投入したデータを参照して回答を生成するRAG(検索拡張生成)機能を積極活用している。
岩手日報社 AI推進担当
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